漆黒のダンディズム〜サンスイAU−111試聴記〜
カタログ・画像ファイルはこっちをクリックです
1999年10月30日(土曜日)。
音楽舎にてサンスイが11月1日に発売予定の真空管プリメインアンプAU−111復刻版
の試聴会が行われました。
会の途中からですが参加し、開発の大島氏ともお話しでき、色々な裏話もお聞きしましたので
リポートさせていただきます(文責緒方)
☆序章・・・なぜ今復刻版なのか?☆
さて、巷では
マッキントッシュ、クオード、LUX
等から当時有名であったモデルの復刻版が
発売されたことが過去何度かありました。しかし、残念ながらこれらは復刻とは名ばかりの
「偽物」
でありました。
理由1・・当時の部品を使っていない。
理由2・・当時の回路を使っていない。
理由3・・当時の配線手法(手配線)を行っていない。
上記の理由により
「偽」
復刻版が堂々と、しかも高額な価格で取り引きされているのを、
個人的に大変苦々しく思っていました。
今回の復刻版をサンスイが発売するにあたって、大島氏より以下のような事をお話しいた
だきましたのでご報告いたします。
☆基本構想について☆
1.当時と同等の部品を使用する
カタログにも明記されているように、現在入手できない部品の一番手に出力トランスが
あります。当時のトランス製造仕様書(メーカーの製造仕様書)が現存していたことに
より、当時製造を担当していた系列メーカーが製造に成功!AU−111の復刻が
可能になったのです。その他に、カップリングコンデンサはnoPCBではありますが、
オイルコンデンサ(ニチコン製)、カーボン抵抗など当時と同じか同等の部品を使用しな
がら、全て(真空管は国産品は存在しないので当然海外品です(^^;;))国産品のライン製品
(カタログモデル)を採用!!これは今後の機器メンテナンスを考える上でこの上ないメリ
ットになります。電源スイッチでさえ当時と同じタッチの物を求め大島氏自身が秋葉原の
パーツ街を彷徨ったそうです(^^;;;)ただし、PL法対策部品(例:ボンネット、キャスター
)リアパネル部品(例:金メッキピンジャック、着脱式電源ケーブル)フロントパネル(字体
及びファンクションのCDの追加)等必要最小限の変更は施されています。
2.回路の変更は一切行わない
回路自体は今回の復刻でも一切の変更はありません。当時と同じです。真空管アンプとして
は大出力といえる45Wの出力もそのまま。回路的にどうだという議論は他でやって下さい('〇';)
3.組立についても手配線を行う
私が「偽」復刻版と断定した上記の三社の製品にはプリント基板が採用されていました。
私はプリント基板採用自体が悪いという訳ではありません。しかし、仮にも復刻版として
製品をデリバリーするのならそれはないだろう?というのが私個人の意見です。フッ(~ー~)。
さて、AU−111ですが若干オリジナルとは違った線材(スズメッキ線)、配線(アース
ポイント等)を行っています。が、それはあくまでチューニングの範囲です。
前作B−209のように部品単体で音造りが出来ない関係上、上記のような部分で音のチュ
ーニングを行っているわけです
AU−111の配線の基本は7,8人からなるラインで行われる手配線作業です。部品毎に
下配線を行い、最終的には熟練工の方が配線しますが、どうしても一日一台位が精一杯だそ
うです(!o!)オオ!。
☆試聴☆
標準の電源ケーブルではなく、音楽舎特製電源ケーブルでの試聴です。一聴すると音が乾いて
います。レンジは十分広くパワー感も申し分ありません。当時のアンプ設計からすると期待で
きないか?と不安であった音の位相もある程度きっちり表現します。ただ、音のチューニング
の部分で最近の全ての音楽ソースに対応するのを狙ったのか、若干音に甘さがあります。この
あたりは本製品(試聴機はテスト機)ではもう一歩煮詰めてあると思いますし、チューニング
能力では人後に落ちない吉田さんのこと。目がきらめいていましたので、大丈夫でしょう( ^)o(^ )。
チューニング素材としても一流の音が出ていました。私はむしろ、当然のことながら残留ノイズ
が少ないことに感動してしまいました。やっぱりメーカー製品は違います。サンスイでは
ALTEC、JBL,TANNOY、BBCモニター群をなんと推奨スピーカーとしてカタログ
に列記して他のアンプとは違うということをアピールしています。
☆総合的に見て(私見)☆
昔夢見ていた人は無条件に買いです!!!それしかありませんです。音のいいプリメインをお求
めの方。試聴後お気に召せば買われるのはよろしいでしょう。が、このアンプを買われるには、
ある意味「免許」が必要です。少なくともお金をかけて「いい音だから」で買うアンプにしてお
きたくないです。このアンプを愛し、愛でる方法をご存じの方のみ買ってほしい。とは大島さん
の弁ですが、私も同感です。なんで今復刻版なの?という私の答え・・・開発コスト/期間の削
減。そして先達の作品の音を限られたチューニング箇所でいかにして越えていくか、そこがメーカ
の「技術力」だと言えるから・・・です。はっきり言います「サンスイAU−111は今年最高の
アンプです。ただし、万能ではありません」わかる人に買っていただきたい。それこそがこのアン
プの存在価値なのですから。
☆謝辞☆
本試聴記を書くに当たり、多くの裏話をしていただいたサンスイ大島様、音楽舎常連の方々ありが
とうございました。また気が向いたら修正いたしますのでご期待下さい(^_^)ノ""
SEO
掲示板
[PR]
爆速!無料ブログ
無料ホームページ開設
無料ライブ放送