プロローグ
2001年6月 ある晴れた土曜の夕方・・
風が運んできた匂いでおいらは昼寝から覚めた。
顔を持ち上げ、確かめるように鼻を風上に向ける。 排気ガスとかすかに混じる潮の匂い。 梅雨の始まる前のムッとした空気の噴流の中に忘れられないその匂いは混じっていた。 「彼女の匂いだ!間違いない!」 急に心が騒ぎ出す。じっとしてはいられない・・・ 早速ご主人に散歩のお誘い・・・。
おいらはジャーマン・シェパード。 名前は「あ〜る」
その匂いを嗅ぐのは本当に久しぶりだ。 去年の春。 彼女はこの街にやって来た。 そして木枯らしが吹く中、急にいなくなってしまったから・・・。
匂いの主は・・津村沙世子。 おいらのとっても大事な友達であり仲間でもある少女の匂い。 匂いと共にあの時の記憶がおいらの脳裏に浮かび上がってくる。 |
この作品はTV版『六番目の小夜子』から発想を得た二次創作作品です。
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